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こりを読め

2007年3月25日 (日)

森絵都 著:「DIVE!!」

L9l_0qkn えー、皆様。
めちゃくちゃ久しぶりの。
まにまにちゃんが勧める、この1冊。

読書だけが趣味、だといっても過言ではない。
そんな、まにまにちゃんですが。
本や作家について書くのは、気骨が折れる。
なので、滅多に書かなくなっちゃいました。

けれどっ。
この本だけは、紹介したい。
したくてしたくて、たまらない。

2年と2ヶ月前に。
あさのあつこの「バッテリー」を勧めましたけど。
あれを超える青春文学なんて、もう出ないと思っていましたの。

あったよ。
これだよ。




飛び込みなんて、詳しくない。
スポーツ観戦オタクの、私でも。
オリンピックでさえ、なかなかお目にかかれない競技。
詳しくなれるわけがない。

タイトルは「DIVE!!」。
当然、舞台は飛び込み競技。

果たして、入り込めるのか。
面白いとしても、醍醐味を感じ取れるのか。
多少の不安を残しつつ、文庫本を購入したんだが。

いやー、参った。
最初から、引き込まれること、この上なし。
スピード感も、臨場感も、天晴れ。

おまけに!
感情移入も、すべての登場人物に対して、するするとできる。
これは、ただごとじゃない。

飛び込みの採点方法すら、知らなかったのに。
もしかして私って、飛込みにも詳しいのではと、錯覚させるほどに。
自然に、飛び込みの世界に馴染ませる、その描写力。

けれど、何よりも。
その構成力に脱帽、なのだ。

主演は、オリンピックを目指す3人の少年。
だということが。
最初は、ちっともわからなかった。

ひとりは、飛び込みで大成するのに不可欠な、動体視力の持ち主。
中学生の知季くん。
第1部は、彼の内面を主体に、進んでいく。

当然、知季に感情移入しながら、読み進む。
かわいいなあ。
がんばれー。
素直に、きらきら輝く少年に、思いをはせる。

けれど。
彼の周りにも、きらりと光る2人の脇役。
ああ、脇にも手を抜かないのねー、と思ったら。

第2部は、そのうちのひとり。
日本海で荒波に向かってダイブをしていた、飛沫くん。
彼が主役になっていた。

ああ、そうか。
そういう書き方、しちゃうのか。

なら、第3部の主役は、残るひとり。
両親ともにオリンピック代表のサラブレッド、要一くんだな。
そこまでは、読めたんだが。

やられたー。
最後の第4部は、3人が代わる代わるに主役を務めるに違いない。
そう、安易に思い込んだ私は、のけぞった。

どうなっていたのか。
これから読もうという方々のために、あえて書きません。

というよりも。
この本だけは、読んで欲しい。
そして、実感して欲しい。

森絵都という作家の、才能と。
誰にでもあった、青春時代。
己の青春の不完全燃焼を、3人に委託できる喜びを。
あなたに感じて欲しいから。

いや。
不完全燃焼もまた、振り返ってみれば、素敵な思い出。
別に、委託したくはない。
そんなあなたも、大丈夫。

己の不完全燃焼さを。
登場人物の誰かには、必ず重ねることができるから。
それほどに。
すべての人物を描ききっているから。



嬉しかったー。
これほどにわくわくできて、喜べて。
どきどきしながら、涙して。
そんな本に出会えたことが、素直に嬉しかったー。

そして、最後。
あと少しで、終わってしまうのが、悲しくて。
何度も何度も、読むのをやめようとがんばった。

まだ、明日も。
この世界に浸っていたかったから。

でも、ダメ。
ページを繰る手を、とめることができない。

終わっちゃうのがイヤだから、閉じるのに。
やはり、その先が、気になって気になって。
結局、また、開いてしまう。

これほどの優れた青春文学は、そうそうないぞ。
騙されないから。
次の1冊として、購入しなさい。

きっと。
「バッテリー」のときと同様に。
私に感謝するハズだ!
ぷ。

2005年2月 3日 (木)

マーガレット・ミッチェル作:『風と共に去りぬ』

Ycx0otsz 月が代わりましたので。
今月の珠玉の一品コーナーです。

このコーナー。
何を挙げるべきなのか、すごく悩むのだ。
なかなか難しい・・・
けれど、今日は。
ずばり!一番好きな小説を!

といっても・・・
『風と共に去りぬ』だと?
んなもん、とっくに読んだわいっ!との叱責を浴びそうだけど。
敢えて、いかせていただきます。



眠れぬ夜。
私の頭の中には、スカーレットの声が響く。
「明日は明日の風が吹く」
♪タラのテーマ、も流れてくる。
そう、彼女の言葉で私は気持ちを切り替える。

舞台はアメリカ、南北戦争の真っ只中。
主人公は、欲しい物は全て手に入れないと気の済まない我が儘な女、スカーレット・オハラ。
初恋に破れ、戦争で全てを失い、それでも決して運命の前にひれ伏すことをしない。

利用するはずだったレット・バトラーを、自らに必要な最愛の人だと気付くも、時すでに遅し。
彼女が故郷の土地と家族を守るため、どん底から意思の力で這い上がろうとする場面で完結。

強く美しい女性。
虚勢を張るしかないプライドの高さ。
そしてある意味、不器用にしか表せない心の叫び。
そんな姿が、私を惹き付けてやまない。

何度もひも解いた。
人生に挫けそうになるとき。
自分が底辺を彷徨っていると感じるとき。
私はこの本を、何度でも開く。

さて。
続編を求められても、決して応じなかった作者ミッチェル。
若い頃は。
私が続編、書いてやる!と思ったものでありました。

やはり出た。
そういう輩。
『風と共に去りぬ』の熱狂的信者である、アレクサンドラ・リプリーによって。
続編『スカーレット』刊行。

うーん。
やはりな・・・
ミッチェルが続編を書かなかった理由が、これを読んで浮き上がる。
ミッチェルがスカーレットに託した想い。
それは決して、恋に焦がれる女性の姿などではない。
男性しか表に立てない時代の、でも真に強いのは女性。

追われるようにして新大陸に新境地を求めたアイルランド人。
ようやく手に入れた土地に生き、全てを捧げ守り抜く。
戦火に焼き尽くされても、更地の上で立ち上がる。
命のある限り、明日への希望を失ってはいけない。
時代は異なっても、人の生きる根本は変わらない。
あなたもそう生きてください。

ミッチェルは、それを伝えたかったのだ、と。
だから、あれで完結なんだ、と。

もちろん。
『風と共に去りぬ』には。
恋に右往左往する情景も織り込まれておりまする。
リプリーはきっと、そこだけ読んでた人なんだろう。

作者自称の続編:『スカーレット』
恋愛小説として『風と共に去りぬ』を読んだ方々には、お薦めいたします。
レットの魅力もバッチリですが。
歴史背景もへったくれもない、どっぷり惚れたはれたの駄作でございます。


2005年1月15日 (土)

あさのあつこ著「バッテリー」

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今月の珠玉の一品。
って、毎月あるとは限らない。
そゆコーナーです。

こり、読め。
ほんとうは。
これだけで閉めたいくらいなの。



あさのあつこといってもね。
女優さんじゃ、ないんだよ。

これ、もともとは児童書。
全6巻からなる小説で、色んな賞を取ってるの。
あまりの人気に文庫化されたという逸品。
私は文庫の帯の「こんな傑作を読んでこなかったのかと猛烈に反省」に釣られたんですな。

中学1年生の巧くん。
天才ピッチャーなり。
孤高の天才というのか、周りと相容れない気高いボクが主人公。
事件がないと言えば嘘になるけど、ミステリーでもなし、ラブストーリーでもなし。
少年の日常を淡々と描いているだけ。

でもねー。
素晴らしいの。
なにか、「迎合しないありのまま」を目の当たりに出来て。
巧くんだけじゃない。
弟の青波くんが天使のようなの。
私、この子なら息子に欲しい。
いや。
違うな。
たぶん、巧か青波くん、対照的だけど、どちらかになりたかったんだと思う。
思わされる。

角川文庫で出ています。
お暇なら読んでね。
全6巻のうち、文庫は3巻まで発売中。

日本いちといいたいけど。
うんと・・・
日本1000、くらいは読書してるまにまにちゃんの、2004年のお薦め第1位です。