森絵都 著:「DIVE!!」
えー、皆様。めちゃくちゃ久しぶりの。
まにまにちゃんが勧める、この1冊。
読書だけが趣味、だといっても過言ではない。
そんな、まにまにちゃんですが。
本や作家について書くのは、気骨が折れる。
なので、滅多に書かなくなっちゃいました。
けれどっ。
この本だけは、紹介したい。
したくてしたくて、たまらない。
2年と2ヶ月前に。
あさのあつこの「バッテリー」を勧めましたけど。
あれを超える青春文学なんて、もう出ないと思っていましたの。
あったよ。
これだよ。
飛び込みなんて、詳しくない。
スポーツ観戦オタクの、私でも。
オリンピックでさえ、なかなかお目にかかれない競技。
詳しくなれるわけがない。
タイトルは「DIVE!!」。
当然、舞台は飛び込み競技。
果たして、入り込めるのか。
面白いとしても、醍醐味を感じ取れるのか。
多少の不安を残しつつ、文庫本を購入したんだが。
いやー、参った。
最初から、引き込まれること、この上なし。
スピード感も、臨場感も、天晴れ。
おまけに!
感情移入も、すべての登場人物に対して、するするとできる。
これは、ただごとじゃない。
飛び込みの採点方法すら、知らなかったのに。
もしかして私って、飛込みにも詳しいのではと、錯覚させるほどに。
自然に、飛び込みの世界に馴染ませる、その描写力。
けれど、何よりも。
その構成力に脱帽、なのだ。
主演は、オリンピックを目指す3人の少年。
だということが。
最初は、ちっともわからなかった。
ひとりは、飛び込みで大成するのに不可欠な、動体視力の持ち主。
中学生の知季くん。
第1部は、彼の内面を主体に、進んでいく。
当然、知季に感情移入しながら、読み進む。
かわいいなあ。
がんばれー。
素直に、きらきら輝く少年に、思いをはせる。
けれど。
彼の周りにも、きらりと光る2人の脇役。
ああ、脇にも手を抜かないのねー、と思ったら。
第2部は、そのうちのひとり。
日本海で荒波に向かってダイブをしていた、飛沫くん。
彼が主役になっていた。
ああ、そうか。
そういう書き方、しちゃうのか。
なら、第3部の主役は、残るひとり。
両親ともにオリンピック代表のサラブレッド、要一くんだな。
そこまでは、読めたんだが。
やられたー。
最後の第4部は、3人が代わる代わるに主役を務めるに違いない。
そう、安易に思い込んだ私は、のけぞった。
どうなっていたのか。
これから読もうという方々のために、あえて書きません。
というよりも。
この本だけは、読んで欲しい。
そして、実感して欲しい。
森絵都という作家の、才能と。
誰にでもあった、青春時代。
己の青春の不完全燃焼を、3人に委託できる喜びを。
あなたに感じて欲しいから。
いや。
不完全燃焼もまた、振り返ってみれば、素敵な思い出。
別に、委託したくはない。
そんなあなたも、大丈夫。
己の不完全燃焼さを。
登場人物の誰かには、必ず重ねることができるから。
それほどに。
すべての人物を描ききっているから。
嬉しかったー。
これほどにわくわくできて、喜べて。
どきどきしながら、涙して。
そんな本に出会えたことが、素直に嬉しかったー。
そして、最後。
あと少しで、終わってしまうのが、悲しくて。
何度も何度も、読むのをやめようとがんばった。
まだ、明日も。
この世界に浸っていたかったから。
でも、ダメ。
ページを繰る手を、とめることができない。
終わっちゃうのがイヤだから、閉じるのに。
やはり、その先が、気になって気になって。
結局、また、開いてしまう。
これほどの優れた青春文学は、そうそうないぞ。
騙されないから。
次の1冊として、購入しなさい。
きっと。
「バッテリー」のときと同様に。
私に感謝するハズだ!
ぷ。